世界初! 昆虫標本の“展足”の芸術性を紹介するヴィジュアルブック
無数の針で昆虫標本のポーズをデザインしていく技術「展足(てんそく)」。昆虫標本を作る際に行われる作業のひとつだが、実は日本人の展足への拘り・技術は独特の文化をかたち作っており世界的に見ても異質なものだ。
本書は、雑誌「BRUTUS」の「珍奇昆虫」特集や、「21_21 desigh sight」の「虫展 -デザインのお手本-」などにて標本の作製・提供を行った、今、最も注目される標本作家の福井敬貴氏による、芸術的な展足技術をまとめたヴィジュアルブックである。
〈内容〉
巻頭グラビアでは、ダーウィンのコレクションなども眠る大英自然史博物館の稀少な昆虫標本たちを、特別な許可を得て福井氏の技術でクリーニング・再展足を行い、現代に美しく蘇らせました。展足前と展足後のドラスティックな変化や、貴重な標本の美しいディテールを堪能できる。
写真は、ピントを細かく刻み撮影した膨大な数の画像を繋ぎ合わせることで彫刻のようなイメージを構築する「Photographic Sclputor」として活動する堺 浩二氏による撮り下ろし。
後半では展足文化の紹介や福井氏独自の展足技術を惜しげもなく紹介した技術解説ページのほか、昆虫研究者の小林一秀氏による「昆虫標本の歴史」についても解説される。
〈著者〉
福井敬貴(ふくい・けいき)
2017年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2019年同大学院修士課程彫刻専攻修了。主に昆虫標本を用いた作品や虫をモチーフとした立体作品を制作する他、標本の制作依頼や展示会・書籍等への協力、3DCGモデルの造形・原型監修など分野を横断した活動を行っている。共著書に「とんでもない甲虫(幻冬舎)」「世界で一番美しい甲虫図鑑(誠文堂新光社)」
X : @fukuinsect
小林一秀(こばやし・かずほ)
甲虫標本商花滝代表。2020年英国Nottingham Trent University, Animal Biology学科卒業。コガネムシ上科の新種の発表など、精力的に研究活動を行っている。専門学校で講師としても従事し、また昆虫に関する展示会やTV番組作成の協力等も行うなど、様々な活動に取り組んでいる。
https://www.cogazo.com
〈撮影〉
堺 浩二(さかい・こうじ)
Still Life Photographerとして自身のスタジオ「Relight」でブランドビジュアル制作を行う傍、“Photographic Sculptor”としてアート作品の制作も行う。有機物から人工物まで様々な被写体に向き合い、それぞれが秘める美しい瞬間を追い求め、「永遠の現象」として写真に封じ込める。
https://kojisakai.com
A4変形・全112P・日英バイリンガル(コラムを除く)